川島家のシークレット(8)

「私だけの秘宝」編

前回は実家に眠っていた歌川広重の
「東海道五十三次」をご紹介しましたが、
実は私にはもっと大事なお宝があるのです。

このお宝は、幼馴染のヨウコちゃんや、
キヨちゃんや、トシくんぐらいにしか
教えていません。
人目に触れるところにあるので、
ずっとずっと秘密にしてきました。

そんな秘宝をもうすぐ手放さなくてはならないことがとても残念で悲しいです。

そのお宝は、実家の外壁に埋まっています。
最後ですから一般公開いたします。
こちらです。

もう少し近寄ってみましょう。

さらにズームイン

小石に混じってひとつだけ。
エメラルドの宝石が。

半世紀前の幼き日、
これを発見した時の感動が忘れられません。
私の大事な大事な宝物。
外出の際も帰宅の際も必ずそこにいて
密かに私の心を輝かせてくれました。

長い間、ありがとう。
そして、さようなら。

川島家のシークレット(7)

「お宝か?」編

遂にきたか。
2階の物入れの奥の奥から、
見るからに物々しいイデタチの、
バリバリお宝風がでてきたヨ。

は〜い、教科書にでてきたヤツ!
歴史に疎い私でも知っているメジャー級。

東海道と い・え・ばっ

膝栗毛・・・やのうて、五十三次か。
「ひざくりげ〜」の方がインパクト大やったな。
サウンド的に。

しかし、何がどう違うのやったっけ。
改めてお勉強。

「東海道中膝栗毛」は江戸時代後期の戯作者、十返舎一九の代表作で、享和2年(1802)から文化6年(1809)にかけて出版された滑稽本。日常生活を風刺したお話やね。

「東海道五十三次」は江戸時代に整備された五街道の一つ、東海道に置かれた53の宿場のことで、しばしば浮世絵や和歌に取り上げられた。とある。

いずれも、日本初・旅ブームの火付け役。

そして今、私の手にある物は・・・
ずっしり重い。
これは浮世絵、ホンマモンかもしれない!
期待を込めて、
文字通り、
紐解く。

おーーーーーっ。
うつくしい。
うつくしすぎる。
ちょっと鮮やかすぎやしないか。
年代物にしては・・・。
もしや本物ではない?
木版画であるからして、コピーもの?
・・・どう捉えていいのかわからない。

と、その時、心の声がつぶやいた。
(以下 心の声)
「あたりまえだろうがっ!
平民の拙宅の物入れに
原画があるわけなかろうがっ!」
(あまりに美しい色彩に目が醒める)

しかし、本物の分身であることに間違いはない。

” 広重筆 “とあるではないか。
絵師、歌川広重だ。
「広重は東海道五十三次によって風景版画の第一人者となり、東海道は広重によって有名になった。東海道の風物、地誌を描いた絵は、江戸時代の初期から、下つて葛飾北斎に至るまで、いろいろの姿で描かれているが、広重のように芸術的な香りをもつものは少ない」
と解説にある。

全ての絵の外装をとって眺めたわけではないが、
確かにその芸術性は庶民の目で見ても楽しめる要素満載である。

残念ながら発行年月日が見当たらない。
しかし、500部の限定出版と書かれているので
貴重ではあると思う。

巨匠の絵を蘇らせてくれた技術者の方々に
じわじわと感謝の念が湧いてきた。

歴史の断片がここにある。

当面我が家に保管することになるので、
近々うちに家飲みに来る人、
酒をちびちびやりながら、古の五十三次を共に
バーチャルトリップしようではないか。

ちなみに今日はマイ・バースデー。
嬉しいサプライズプレゼントとなった。












川島家のシークレット(6)

興奮冷めやらぬWBC侍Japan世界一を祝して、今回は酒編。

キャビネットに箱入りのまま埃をかぶっていたのがコチラ。

中国を訪れた際の頂き物だそうですが、どれも見るからに強そうなお酒だな〜と検索してみると。「郎」と書かれた酒は中国古酒LANG JIUという酒で、アルコール度数がなんと53%!!

ぶっ飛ぶぜっ

開栓するのももったいない気がして「売れたら売って」というご要望に沿うよう現在尽力しておる最中。

あと、番外編として、こんなものも見つけました。
お酒じゃないけど。

ドキドキする。

この絶対開けてはいけないかんじ。

中は液体か?

Hollandといえばオランダ?
牛の絵。
バケツの中は・・・牛乳よね。


あかん、絶対開けたら あかん!!!

ドキドキ体験はまだまだつづく・・・・

川島家のシークレット(5)


エントリー No.5 『愛の結晶』

父と母が運命的な出会いを果たし、愛を交わし合った末、この世に生まれ落ちたのが私。偶然の賜物とはいえ、賜物歴もこう長くなると原点の奇跡に感謝せずにはおれない。いまさらながらお父さん、お母さん、ありがとう。

さて、ざっくりとした馴れ初めは聞いているが、当時の熱愛の温度までは伝わらなかった。
これを発見するまでは。。。。

(筆者の了承を得てここに掲載す)

ロマンチストかっ!

いや、私ですらとうの昔、忘却の彼方におき忘れてきたこのロマンチズムが故に私の原型が宿ることになったわけであるからして、これはもう、歴史的なパピルスなのだ。

結核で床に伏していた母に対するこの積極性にも感謝せねばならない。

父の熱愛に対して当時の母はどうだったのだろうか。バランスのとれた恋文はみつかっていない。

こちらは単身赴任していた父に宛てた母の手紙。
実にあっさりしている。


「人数が少ないほうがいいですから
 せいぜいそちらで長く勉強して帰ってきてください」

COOLだね〜。

せめて “郁子のパパ像” が父の心の癒しとなってくれていたならと願う。

川島家のシークレット(4)

正月過ぎから頑張って実家じまいに励んでいるけれど、「それがお前の本気か?」と我が身を叱咤せざるを得ない状況だ。タンスの奥や戸棚の中から着手しているものだから、見た目がな〜んも片付いとらん。むしろ掻き出しているぶん、とっちらかっとるよ!

遅々として作業が進まぬ原因は物の多さだけではない。そう、手に取るものに い・ち・い・ち 感嘆しているからだっ。

たとえば、コチラ。
エントリーNo.4『やたらかっこいい表紙

背表紙が渋いねー。あたしゃあんたの背中に惚れたんだよ。印字が食い込んでる感じ?活版印刷っていうのかな。この手作り感、重厚感がたまらないね。
中身は ラ・・ヴィエデ・・・ナンチャラカンチャラ。1行足りとも理解できないどころか読めもしないけどさっ。

安心おし。あんたを見捨てやしないよ。


さて、そこまで(表紙に)惚れ込んだのだから、せめて何の書物かぐらいは把握しておくべきであろう。Wikipediaによると、こちら3部は、国際法の発展に大きな影響を与えた18世紀の国際弁護士エムリッシュ・ヴァッテルの国際法に関する法的論文とのこと。
(てっぺんのVATTELって人名だったのね)

と、父の書斎でこの本を手にし、背表紙を撫でたり、パラパラめくったり、調べ物をしたりして費やした時間はおおよそ5分。この調子で一品一品感慨にふけっていたらどうなることか。
ここは現実的な数値をはたき出して我に返るよう自身に仕向けたい。

たとえば川島家の蔵書。すでに段ボール箱4つ分の書物は処分したが、述べ1万冊は下らない。
5分x1万冊=50000分は、およそ833時間。
24時間寝ずに片付けしても34日かかる。
本だけで。


何に出会っても、心を殺すしかない。

つづく

川島家のシークレット(3)

エントリーNo.3 『牛乳瓶ふた開け』
懐かしすぎて涙が出そう

昭和ノスタルジー編

家で、学校の給食で、常に身近にあった昭和グッズ。ぐっと刺してスポンと外れるあの手応え、死ぬまでにもう一度味わってみたい。
コレ、紙キャップに特化した、よくできた商品ですよね。発明者に拍手👏

紙キャップ、復活しないかな。
して欲しいな。
メンコ遊び、上手な子がいたな。
かなり上から狙って翻すテクニシャン。
ゲーマーならぬメンカー。
商品名が描かれたキャップデザインも個性的だった。なによりエコだね〜。

それにしても、あの蓋、どうやって入り口にはまっていたのだろう。端っこを爪でこそいでも、きまって失敗する。表面の印刷部分だけ剥がれて残念な気持ちになる。この蓋開けで刺してはじめて気持ちよく取れるのである。それほど牛乳のフタはピタッと入り口にくっついていた。牛乳がこぼれないように。牛乳に落っこちないように。絶妙なバランスで。今考えるといろんな工夫が施された商品だったな。

そんな牛乳製品も、かつての瓶+紙キャップから紙パックへ、最近では手で広げる屋根型からプラスチックキャップへと変化しつつある。どうだろう、一周回って原点回帰する日が来るかもしれない。

つづく

川島家のシークレット(2)

エントリーNo.2『銀玉』

ふたつ

健身球 Healthy Ballか〜、ふむふむ。
身体によいタマx2ってことでOK?
持ってみると、わりとずっしり重たい。

転がしてみる。
(注意 音でます)

何気にありがたい音が奏でられました。
Lotus Pond・・・「蓮池牌」と書かれていることだし、ご利益もありそうな。でも、どうやって使うのかなぁ。 
とりあえず、ツボぐりぐりとかやってみたけど、タマタマが二つある意味を見出せないまま、箱にしまう。
使い道をご存知、あるいは発見された方はぜひSNSにご一報を。

(ああ、やはり「とりあえず箱」が欲しい)

つづく

川島家のシークレット(1)

エントリーNo.1「白い粉」
はたしてその正体は???

SHARK?
えっ、あのシャーク?
シャークのパウダー?
サメ粉?

って何よ、もう・・・(冷汗


くるっとひっくり返して、
おかあちゃんのデカイ添え書きに助けられました。

フカヒレねっ!


で?

いかようにして
活用するのでしょうか

飲むのだよね、何かに混ぜて。
あるいは、ふりかける?
まさかコネコネしてパック使用?

色々試してみたかったけれど、賞味?消費?期限がとうの昔に過ぎていたため処分させていただきました。
それにしても、どこで買ったのかな。100%ピュアと書いてあったな。
100%純粋な白い粉。危険な香りがしなくもないオモロ発見であった。


つづく

川島家のシークレット(0)

<前置き>
訳あって実家じまいを一手に担う事となった。

いる物といらない物。その中間に母が設置した「とりあえず置いておく物」というグレーゾーン。家財の大半を占めるこのグレーゾーンのおかげで、捨てる捨てないの決断頻度が一気に跳ね上がる。そもそも母譲りの捨てられないタイプ。気づけば「とりあえず箱」なるものを脇に置き、無意識に曖昧領域を作ったりしてしまっている!
あかん、あかん。
今こそが、白黒はっきりさせなあかん時!

それにしても、捨てても捨てても一向に物が減らないのはどうしたことか。

それもそのはず、わずかに残る祖父母の遺品も含めると、一世紀以上にわたり蔵入りしていたグレーゾーンもあるわけで、100年の月日を紐解く作業は遅々として進まぬ。

因みに「蔵入り」などと表現したが、お宝発見の可能性は限りなくゼロに近い。昔から我が家に高価な物など存在したためしがない。家宝を伝え聞くことも皆無であった。それでも母が「とりあえず」を詰め込んだ蔵のなりそこない納屋が3棟。秘宝ならぬ珍品、長年封印されて来た数々のシークレットに出逢えることは間違いない。捨てるに忍びないガラクタもあるだろう。その一部を、せめて記録としてここに残しておこうと思う。

『川島家のシークレット』
まずは、さっそく出会ってしまいました。
薬棚の奥の奥の奥から・・・
エントリーNo.1「なぞの白い粉」

つづく

大阪の日本画

大阪中之島美術館で現在開催中の
開館1周年記念特別展 大阪の日本画」を見に行ってきた。

初めての大阪中之島美術館。外観も中もモダンな造りでおしゃれ。黒い外観てよいね。お友達のお家の外観も黒の木造りなんだ。これがまた素敵なんだ。わくわくして中に入る。

さて、東京でも京都でもない『大阪』の日本画とは?

大阪から生まれた日本画がどのようにこの地で発展し、どのように人々に親しまれてきたかを知ることができる。というこの展示会。ふむふむ。
なんでも商業都市として発展してきた大阪は、商人がパトロンとなって画家たちの生活を支えていたそうだ。大阪ローカルの画家たちは、商家の床の間に飾るための「床の間芸術」を手がけ、パトロンとともに茶会を楽しみ(接待のようなもの?)文化的な交遊をこなせる教養も身につけていたようだ。
なかなか大阪の画家たちも商売人だ。
こういったパトロンのおかげで生活に余裕があったせいか、公募展などに出品し、名を売ることで仕事を受注する必要もなかったといえる大阪の画家達。ええんかわるいんか、ようわからんけど、精神的には楽やったんちゃうやろか。たぶん。
画家同士の交流も、京都のような厳しい上下関係はなく、横の繋がりが強く、ジャンルを超えたお付き合いも盛んだった様子。これまた大阪人らしいと言えるか。

さあ、そんな僅かながらの前知識を得て、いざ拝見。

どこがどう大阪ちっくなのかはわからないのだけれど、わたくしもしかすると、大阪の日本画というよりも、近代の日本画に惚れてしまったかもしれない!稚拙な表現で申し訳ないが、まずもって色使いが美しい。というか好み。ラインはまろやかなんだけど「しゅっ」としてる感じ。男前。潔い。そして、落語でいう間の取り方も絶妙。(右左の空間、同じでなくてもいいんだ)などなど。

学芸員さん、何ていってたかな・・・
難しい言葉・・・
そうそう、「瀟洒」(しょうしゃ)
意味:すっきりとしゃれている様子。
まさに、それ!!!

かっこいい!

明治から昭和に至る近代大阪の日本画に光をあて、個性豊かな作品が連なる浪華の名画大集結。

寒波が通り過ぎたら、みなさんもぜひ。
会期は4月2日までです。

PS:音声ガイドおすすめ。
片岡愛之助さんの大阪弁、ええですよ〜。