川島家のシークレット(0)

<前置き>
訳あって実家じまいを一手に担う事となった。

いる物といらない物。その中間に母が設置した「とりあえず置いておく物」というグレーゾーン。家財の大半を占めるこのグレーゾーンのおかげで、捨てる捨てないの決断頻度が一気に跳ね上がる。そもそも母譲りの捨てられないタイプ。気づけば「とりあえず箱」なるものを脇に置き、無意識に曖昧領域を作ったりしてしまっている!
あかん、あかん。
今こそが、白黒はっきりさせなあかん時!

それにしても、捨てても捨てても一向に物が減らないのはどうしたことか。

それもそのはず、わずかに残る祖父母の遺品も含めると、一世紀以上にわたり蔵入りしていたグレーゾーンもあるわけで、100年の月日を紐解く作業は遅々として進まぬ。

因みに「蔵入り」などと表現したが、お宝発見の可能性は限りなくゼロに近い。昔から我が家に高価な物など存在したためしがない。家宝を伝え聞くことも皆無であった。それでも母が「とりあえず」を詰め込んだ蔵のなりそこない納屋が3棟。秘宝ならぬ珍品、長年封印されて来た数々のシークレットに出逢えることは間違いない。捨てるに忍びないガラクタもあるだろう。その一部を、せめて記録としてここに残しておこうと思う。

『川島家のシークレット』
まずは、さっそく出会ってしまいました。
薬棚の奥の奥の奥から・・・
エントリーNo.1「なぞの白い粉」

つづく