オス鹿の角が落ちる頃
見慣れない漢字「麋(さわしか)」とは、大鹿=ヘラジカのことだといわれています。ヘラジカは、北米ではエルクやムースと呼ばれていて、ユーラシア大陸北部の針葉樹林に生息。ふむ。日本にいないものが、なぜ七十二候に登場するのかしら。七十二候の元祖、中国でも見られない鹿さんです。ますます不思議。
一説には「麋」は、本来の意味から派生してトナカイなどの大型の鹿のことを指すようになったともされているのですが・・・私は次の説に一票。
「麋はシフゾウである」
シフゾウとは、角はシカに似てシカにあらず。蹄は牛に似て牛にあらず。頭は馬に似て馬にあらず。尾はロバに似てロバにあらず。四つの動物に似ていながら、そのどれでもないため、四不像(シフゾウ)と呼ばれるようになったという、中国の珍獣。
空想上の生き物かと思いきや、中国では実在していたようで、「麋鹿(ミールー)」というのが正式名称。「麋」という字がちゃんと入っていますよね!それに違いない。しかも、大きな鹿で冬至に角を落とす。という条件にもしっかり当てはまっています。
さっそく画像をチェック。おお!立派!レジェンドらしき威風堂々とした風貌です。牛のような馬のような、でもやっぱり鹿。体長は約2mほどで、体毛は柔らかく灰色がかかった黄褐色。角はオスだけが持ち、長いものでは87cmに達することもあったそうです。残念ながら野生種は絶滅してしまいましたが、なんと、その子孫が東京の「多摩動物公園」にいるらしい!昨年(2021年11月)に公式サイトを覗いてみると、こんな記事を見つけました~。 “多摩動物公園では今年もシフゾウ「アオバ」の角が両方落ちました” と。まさにリアル「麋角解(さわしかのつのおつる)」ですね。伝説の鹿にひと目会ってみたいものです。
さあ、いよいよ年末。 私たちも今年一年の厄を綺麗に落として、気持ちよく新年を迎えられますように。