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橘始黄
橘の実が黄色く色づき始める頃
橘(たちばな)とは、日本原産の「ヤマトタチバナ」のことですが、古い文献などに出てくる「橘」は、いろいろなミカン類を総称していたと考えられています。
ヤマトタチバナの葉は枯れることのない常緑樹。一年中青々と艶やかに茂ることから、「永遠」を喩える、めでたきものの象徴として扱われてきました。宮中などに御神木として植えられたり、葉や花や実は古くから文様や家紋に用いられてきました。文化勲章には橘の白い花がデザインされています。

橘といえば、京都御所紫宸殿(ししんでん)前の「左近の桜」と「右近の橘」は有名ですね。天皇が京都御所にお住まいの頃、紫宸殿では即位の礼など重要な儀式が行われていました。桜と橘には「魔除け」「邪気払い」の力があり、さらに橘は「不老長寿」の象徴とされています。そんなおめでたい木に「左近・右近」という呼び名がつけられた由来は?
なんでも「左近の~」「右近の~」という呼び方は、宮中の警固などを司る左近衛・右近衛が、
この2種類の木花の近くに陣をしいていたことが始まりといわれています。
紫宸殿を模した雛人形の飾り付けも、これにならって左に桜、右に橘・・・・いやいや、反対ですね。桜と橘は親王様からみての配置なので、飾る時は逆にしなければ。向かって右に桜、左に橘。いつも一瞬、頭の中が混乱します。


冬は柑橘類がおいしい季節。日本の柑橘類の元祖とも言われる橘の実もぜひ味わってみたいもの。なんたって不老長寿の果実ですから。
酸味が強力なので食酢にしたり、ホワイトリカーに漬け込んで果実酒として楽しむのもいいですね。あと、橘の実は別名「「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」=『永遠に香る果実』と呼ばれています。高貴な香りを楽しむなら、橘風呂も。深まりゆく冬に、身も心も温めてくれそうです。
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