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山茶始開
山茶花 (さざんか) の花が咲き始める頃
ここでいう「山茶」は、「ツバキ」と読ませてはいますが、山茶花(サザンカ)のことを指します。
椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)は、よく似たお花。同じツバキ科の植物です。では、二つの違いを少しばかり。まず、開花時期は山茶花が先行。10月から11月、まさにこの時季から咲き始めて、12月くらいまでがシーズン。ツバキ科の中では最も早く咲き始めるので、山茶花を見かけたら冬が始まると思っていいでしょう。一方、椿は山茶花の一ヶ月遅れ、12月頃から咲き始め、本格的なシーズンは年が明けてからスタート、そこから4月ぐらいまで咲き続けます。“木へん”に“春”と書くように椿は春の季語。山茶花は冬の季語となっています。もうひとつ、わかりやすい違いは二つの花の散り方です。椿は花ごとポトリと落ちるのに対し、山茶花は、はらりはらりと花びらが一枚ずつ舞い散るエンディングです。

さて、そんな山茶花で思い出されるのが童謡の「たきび」。2番の歌詞はこうでしたね。

♪さざんか さざんか さいたみち
 たきびだ たきびだ おちばたき~♪

落ち葉の頃に咲く花ですから、まさに山茶花は冬の花ですね。冬枯れの殺風景な景色に彩りを添えてくれることから、人家の生垣や道端の垣根に利用されることも多く、寺院や茶室の庭木としても好まれています。あら?もしかして「たきび」の一番の歌詞、
♪かきねの かきねの まがりかど~♪の「垣根」は山茶花の垣根のことなのかしら。だとすると、一番と二番の風景が繋がってきますね。

そんな「たきび」の世界観を感じられる季節ももうすぐ。しかし焚き火そのものは、今はもう法律で禁止されているところが多いので体験は難しいですね。焚き火にあたろうか、あたろうよ~ってなことを言っていた時代が懐かしく感じられます。「焚き火」とはちょっと違いますが、この時期、京都ではいろんな神社で火を焚き上げて、ご祭神に感謝の想いを捧げる「火焚祭(ひたきさい)」が行われます。そろそろ木枯らしも吹き始める頃、こういった伝統行事で季節を感じてみるのもいいかもしれませんね。二十四節気は「立冬」、暦の上では冬がスタートです。
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