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菊花開
菊の花が咲き始める頃
菊は、あの花びらに見える一枚一枚がひとつの花だったのですね!
一輪が花の集合体。ゴージャスなお花です。古くから菊は、花の中でも最も品格があるということで「百花の王」と呼ばれてきました。

この時期にひと月遅れで迎える旧暦9月9日の「重陽の節句」は、ちょうど菊の花が盛りの頃。よって別名「菊の節句」ともいわれています。
平安時代の宮中では、この日「菊花の宴(きっかのえん)」が催され、菊の花をひたした菊酒(きくざけ)の盃を交わしながら、長寿と無病息災を願い、歌を詠み花を競う「菊合わせ」を楽しみました。宴の前夜には、菊の花に真綿(まわた)をかぶせ、夜露と香りを移しとる「被綿(きせわた)」という風雅な習わしも行われていました。翌朝、宮中の女性たちはその綿で体や顔を拭い、“若返り”を願ったとのこと。アンチエイジングはいつの世も女性の切なる願いですね。
また、重陽の日に摘んだ菊の花びらを乾かし、枕に詰め込んだ「菊枕(きくまくら)」で眠ると、菊の香り漂う夢の間に愛しい人が現れ、邪気を払ってくれるという言い伝えがあり、女性から男性への贈り物にされたそうです。なんともロマンチックなプレゼントですね。実際のところ、菊枕は頭痛や目の病などに効能があるとか。

古来より「延命長寿の花」として、先人たちも頼りにしてきた菊の花は、漢方の生薬としても幅広く利用されており、解熱や鎮痛、解毒のほか、目の充血や腫れ、痛み、視力の低下などにも効果があるとされています。

食用だと刺身のツマ用の小菊、ありますね。あれをお酒や汁物に生のままで浮かべたり、酢の物やお浸しにして頂くのもいいですね。「延命長寿」として、どれほどの効果があるのかはわかりませんが、伝統的な食文化のひとつとして、あるいは季節の演出として、楽しんでみてはどうでしょうか。
そうそう、ハーブの一つであるカモミールもキク科です。ハーブティーにするとカラダを温め、安眠を誘ってくれます。朝晩冷え込んできたこの時期、こちらもぜひお試し有れ。
Ikukology
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