We propose healing and learning to make your life a little more colorful
天地始粛
ようやく暑さがおさまり始める頃
8月も最終週に入り、夏の気が少し落ち着いてきたように感じられます。「天地始粛」の「粛」は縮む、しずまる、弱まるという意味。気づけば枝上の蝉に代わって、足元から優しい虫の声も耳にするようになりました。万物が改まる時季です。天気図では時折、秋雨前線が登場し、北から冷たい空気を運んできます。こうやってゆっくりゆっくり、秋がやってくるのですね。

夏が終わるのは寂しいですが、涼風が吹き出すと、実りの秋も間近でしょうか。食材が豊かになり、ごはんが美味しくなってきますね。果物もメンバーチェンジです。この時期は、ナシやイチジクが登場。

イチジクは私の中では果物の女王。腐る一歩手前の熟熟が女王の貫禄たっぷりで大好きです。いつだったか、京都の天ぷら屋さんでイチジクの天ぷらをいただいた時は感動しました。塩をつけた衣のサクサク感の後に、ニュルッ&ツブツブ感のある甘味。なんとも贅沢なマリアージュ!お口の中で幸せの鐘が鳴りましたとさ。


さて、イチジクの名前の由来は、ひと月で熟すから、あるいは毎日一つずつ熟すから「一熟」。やはり熟すほど美味しい果物であるが所以。一方漢字では花の無い果実「無花果」と書きますね。確かに実家の無花果の木にも花が咲くのを見たことがないと思っていたら、なんと花は実の中に咲くそうです。あの、実の中のつぶつぶ、あれがどうやら花のようです!という事は、実を食べる時に一緒に花も食べているわけか・・・。ご馳走様の気持ちが深まりました。

今回はその他の秋の味覚やお月さんのお話もしようと思っていたのに、イチジクだけで文字数を使ってしまいました。それだけ秋は奥深いお楽しみが豊富ということですね。まだまだ残暑厳しいですが、去りゆく夏を惜しみつつ、巡り来る秋を今年も思い存分満喫しましょう~。

Ikukology
TOPへ