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鴻雁北
冬鳥の雁が北へ帰って行く頃
ツバメの渡来と入れ替わりですね。ツバメ君が来たから、僕もう帰るね~といった感じでしょうか。鳥達の活動からも季節の移り変わりを感じます。群れをなし、連なり、飛び去っていく雁。日本にやってくる雁は、はるばるロシアからやってくるそうです。その距離およそ4000km。帰りも長旅ですね。格好いいV字編隊を組んでの長距離移動。このV字編隊は、もちろん私たちにみせるショーではなく、ちゃんと理にかなった飛行のようです。羽をパタパタさせる時に起こる上昇気流。前方の鳥が起こしたこの上昇気流に、斜め後ろを飛んでる鳥がうまく乗っかると、より少ないエネルギーで飛ぶことができるという見事な連携プレー。こうやって体力を温存するから、長距離飛行が可能になるんですね。なるほど!しかし、そうなると先頭の隊長はかなり過酷なポジションだなぁと思いきや、案ずるには及ばず。隊長は交代制のようです。素晴らしいチームプレーで、今年も無事に帰れますように。

さて、雁は「かり」とも読みます。「カリカリ」という鳴き声が由来とか。かつては日本中どこでも見られた雁も今では一部の地域でしか見られなくなってしまったのが残念ですが、これから新茶の季節になると、お茶の間でその名を耳にする機会が増えるかもしれません。煎茶や玉露を作る際、茶葉をふるい分けたときに出た茎の部分だけを集めて作ったお茶のことを「雁が音(かりがね)」といいます。若々しい香りと、爽やかな風味が特徴で、茎独特の“風味”と“甘味”を合わせもつお茶。しかし、なぜお茶の名前に雁が登場するのか?知って納得。海を渡る雁は海上で体を休める際、海に浮かぶ小枝に止まります。その小枝が茶の茎の姿形に似ている事に由来するそうです。昔の人の観察眼は素晴らしいですね。ネーミングのセンスも抜群。

さあ、桜が散りゆくと、いよいよ新緑の季節。新茶の瑞々しい香りが楽しみです〜。
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