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玄鳥至
燕が南の国から飛来する頃
暖かくなってくると 東南アジアで越冬していたツバメが、はるばる海を渡って日本にやってきます。ここ日本で巣作りをし、生まれ育つのですから、古里へ帰ってくると言ってもいいかもしれません。おかえり~。私も駅前の店舗の軒下にやってくるツバメとの再会を毎年楽しみにしています。

「玄鳥」とはツバメの異名で、黒い鳥のこと。黒い背中と白いお腹。その美しいフォルムは燕尾服の語源ともなりました。飛べば時速50キロほどの速さでサッと空を切る飛行能力の高さ。飛びながら餌となる昆虫をキャッチするなんて離れ業も!硬派なだけではありません。働き者のツバメは夫婦そろって子育て上手。代わる代わる巣に餌を運び、時には雄も卵を抱きかかえ温めるというイクメンぶり。家庭円満の秘訣を見るようで、古くから「燕が巣を作った家は栄える」といわれてきた事も頷けます。昨年の古巣がなくなっていたり、先に到着したつがいに占有されていた場合は、オスはその近くでメスの到着を待ってから、夫婦で相談し、また一から力を合わせて巣作りをはじめます。旅疲れもあるでしょうに、これぞ夫婦の共同作業。愛なしではできません。ツバメの巣は立派な土壁ですよね。一から作る場合、1週間から10日ほどかかるそうです。最近都会では枯れ草や土が見つからずに巣作りに苦労することもあるとか。できれば一度作ったツバメの古巣は取り壊さずに置いておいてあげたいものですね。

最後に豆知識:
動物(主に鳥)の鳴き声を人間の言葉に当てはめて聞くことを「聞き做し(ききなし)」といい、例えばウグイスなら「ホウ、ホケキョ」が有名ですが、ツバメの聞き做しをご存知ですか?ツバメは「土食って虫食って渋~い」なんですって!いや、ほんと、鳴き声まで男前!つくづくダンディな鳥です。
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