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雀始巣
雀が巣を作り始める頃
本格的な春の到来です。
雀は古くから日本人にとって一番身近な小鳥ではないでしょうか。人が住むところに住み、人がいなくなると自然と雀もいなくなるそうです。カラスなどの天敵から身を守ってくれる人間を、きっと頼りにしてくれているのですね。ちゅんちゅんとさえずりながら、せわしなく飛び回る姿も無邪気で愛らしい。雛もきっと可愛らしいのでしょうね。雀が巣を作り始める時期とのことですが、そう言えばお馴染みの鳥のわりには、巣をあまり見たことがありません。どうもツバメと違ってスズメは警戒心が強いので、ひと目がつくところには巣を作らないようです。また、昔の家は軒先の瓦の下に隙間があって、そこに雀が巣を作り、出入りしていたのですが、今は漆喰などで塞いでしまうようで、民家で巣作りができなくなってしまったことも原因のようです。巣作りには絶好の場所である軒先の隙間のことを、建築用語では「雀口(すずめぐち)」と呼ぶそうです。まさに同じ屋根の下での雀との共生。それが叶わなくなってしまったのは、ちょっと残念。ツバメと同様、すずめの巣作りは縁起が良いとされています。

雀は巣を作りはじめる今の時期から夏にかけては、害虫を食べてくれるありがたい鳥ですが、秋になると稲穂をついばんでしまうため、農家の方にとっては厄介な存在。かわいいのだけど・・・時には憎まれる。「舌切り雀」のお話も、そういった複雑な感情から生まれたものなのかもしれません。
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