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菜虫化蝶
冬を耐え忍んだ菜虫のさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わる頃
いつだったか、葉野菜をバサバサ洗っていたら、大きな青虫が現れてギョッとしましたが、虫がつくと言う事は野菜が美味しい証拠ですよね。そんな青虫が美しい蝶に生まれ変わる季節です。


菜虫とは、大根やキャベツなど、アブラナ科の植物を食べる青虫のことで、その代表格がモンシロチョウの幼虫です。モンシロチョウは必ずアブラナ科の葉に卵を産み、幼虫はその葉を食べて成長します。というか、蝶の中で唯一アブラナ科の葉っぱを食べられるのが、モンシロチョウの幼虫なのだそうです。なんでもアブラナ科の植物の葉は毒を持っているようで(人間には害がない)、モンシロチョウだけが数千年という長い共生の末に解毒する能力をもったようです。独壇場ですね。それにモンシロチョウの幼虫は驚くほどの大食い。これでは害虫と呼ばれ、毛嫌いされるのも致し方ないか・・・。

そんな畑を荒らす嫌われ者が、暖かくなると美しい蝶に生まれ変わり、ひらひらと舞う姿はまさに夢をみているかのよう。蝶は別名「夢虫」や「夢見鳥」とも呼ばれます。中国の思想家「荘子」の説話「胡蝶の夢」から、こうよばれるようになりました。蝶となった夢をみたが、はて、あれは自分が夢のなかで胡蝶に変身したのか、それとも胡蝶がいま夢のなかで自分になっているのか??夢と現実との区別がつかないことのたとえが「胡蝶の夢」。もし夢と現実が同一次元のパラレルワールドだったら、お花畑を気ままに舞う蝶にもなってみたいと思うのですが、蝶の寿命は短いのです。たったの2週間ほど。う~ん、まだもうしばらくは現世の煩悩に惑わされたいかな。


さあ、菜の花が咲き、蝶が軽やかに舞い始めると、いよいよ本格的な春の到来です。桜の開花も待ち遠しいですね。
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