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桃始笑
桃の蕾がほころび、花が咲き始める頃
桃が初めて笑う。なんとも可愛らしい表現ですね。咲く=笑う。昔は花が咲くことを「花笑み」といいました。また花のように笑うことや、微笑んでいる様子も「花笑み」といいました。花に出会うと自然と笑みが浮かびます。花は笑顔を引き出す魔法使いですね。

桃の花は梅と桜の間を縫うようにして咲き出し、旧暦のひな祭りにあたる4月上旬頃、ちょうど満開を迎えます。木偏に兆と書いて「桃」。枝に沿ってぎっしりと咲くことから、古代中国では子孫繁栄の象徴とされていました。また、果実は「長生(ちょうせい)の実」、「不老長寿の仙果(せんか)」とされ、日本でもイザナギノミコトを守った霊力が宿る果実として古事記に記されています。本来は3月最初の上巳(じょうし))の日に行われる「桃の節句」も、かつては桃の花を浸したお酒を飲み、長寿を祈いました。邪気を祓う力があるとされる桃の木。実も花も、木そのものも、神秘的なパワーを秘めているのですね。

ところで、梅、桃、桜と順に渡される春のバトンですが、それぞれの見分けはつきますか?一番簡単な見分け方は、花びらの形状です。梅は花びらの先が丸く、桃は花びらの先がとがっています。そして、桜は花びらの先が割れているのが特徴です。三者三様、花に持つイメージもみなさんそれぞれだと思いますが、私は梅の花には気品を、桃の花には可愛らしさを、そして桜の花には華やかさを感じます。いずれにせよ、春爛漫を次々と順に楽しめるのは贅沢なことですね。

さあ、桃の花がほころび始めると、いよいよ景色も春めいてきます。
桃が笑い、人も笑い、心もほころびる 春~よ、来い。
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