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草木萌動
草木が春の訪れを感じ、一斉に芽吹き始める頃
春の入り口に来ました。
暖かい日差しに誘われて、土の中や木々の枝々から新しい命が一斉に芽生えます。柔らかな芽が、粛々と土を持ち上げて顔を出すのです。みなぎる生命力、たくましいですね。生まれたばかりの木々の新芽も生き生きとしていて可愛らしい。新しい季節への希望が感じられます。

春の到来を思わせる木の芽(このめ)は、やはりインパクトがあったのでしょう。様々な用語に登場します。例えば、この時期に冷え込むことを「木の芽冷え」。晴れたら「木の芽晴れ」。雨が降れば「木の芽雨」。そして風にも景色を添えて「木の芽風」という具合に。お天気と季節の風物詩を結びつけるのは、いにしえびとの得意技ですね。私も季節のご挨拶などの際に、さらっと使いこなせるようになりたいもの。雨水の頃に降る雨は「木の芽雨」の他に、「木の芽起こし」ともいわれます。木の芽の成長を促すという意味が込められているのですね。花を咲かせるためには、この時期の雨がとても大切だということですね。

ひと雨ごとに春も近づきます。植物たちが芽吹く季節、土筆もそろそろ顔を出す頃でしょうか。私にとって土筆は最もキュートな春の使者。春先に土手などで見つけると「春が来た!」と心が躍ります。昔の人も同じように感じていたのでしょう。「土筆の坊や」とか、「土筆坊(つくしんぼう)」という愛称がついているくらいですから。
袴取りはいささか面倒臭いですが、今年も春をみつけたら、せっせと摘んで、ほろ苦い春の味覚を堪能したいです。

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