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芹乃栄
芹が盛んに茂る頃
あけましておめでとうございます。

本年もIkukologyをどうぞよろしくお願いいたします。

二十四節気は「小寒(しょうかん)」に変わり、寒の入り。いよいよ“冬本番”を肌で感じる季節がやってきました。

お正月最後の1月7日は「人日の節句」。人を尊重する日です。この日は古来より春の七草を入れた粥を食べる習わしがあり、七草粥を食べて、一年の豊作と無病息災を願います。

秋の七草が観賞用なのに対して、春の七草は食用。芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)の7種。五七調に節をつけると覚えやすいですね。「なずな」はペンペン草、「ごぎょう」はハハコグサ、「はこべら」はハコベ、「仏の座」はタビラコ、「すずな」は蕪(かぶ)、「すずしろ」は大根のことです。

この春の七草の筆頭に挙げられるのが「芹(せり)」。今回の七十二候の主役です。芹は古くから私たちにも馴染みのある食材。日本原産のセリ科の多年草で、湿地や休耕田、小川や沢などの水辺でよく見られます。“競り合う”ように群生することからこの名がつきました。根が白いので、「白根草(しろねぐさ)とも呼ばれます。1月から4月にかけて旬を迎え、空気が冷え、水が最も冷たくなるこの時季のものが一番美味しいとされています。

香草と名のつくものはどれも個性的で大好きですが、芹は爽やかな香りとシャキシャキとした歯ざわりが魅力ですね。七草粥にはもちろんのこと、サラダや柚子風味のお浸しにしてもよし、寒い期間はお鍋に入れても美味しいです。パッと見は、三つ葉に似ていますが、三つ葉は字のごとく葉が3枚。芹の葉っぱは5枚なので、区別しやすいですね。

芹独特の強い香りには、胃を丈夫にし、食欲増進、解熱などの効果があるそうです。年末年始のご馳走で弱った胃を助けてくれるのはありがたい。春の七草に抜擢され、七草粥に入れるのも理にかなっているわけですね。春の七草はいずれも、この寒さの中で芽吹く力を宿しています。お正月もそろそろおしまい。自然の恵みからパワーをいただいて、私たちもそろそろ動き始めなくては。
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