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草露白
草に降りた朝露が白く光って見える頃
この時期、雲のない夜は放射冷却により空気中の水蒸気が水滴にかわり、明け方には草の葉にたくさんの露を結びます。近寄ってみると、草の産毛や蜘蛛の巣に散りばめられた雫が、朝日を浴びてキラキラ。まるで宝石箱をひっくりかえしたかのよう。これぞ天然のジュエリーですね。
 
昔からいう「露が降りると晴れ」というのは本当のようです。夜間ずっと雲一つない空というのは高気圧に覆われ安定した気圧配置になっていることが多いので、翌る日もそのまんま晴れというわけ。天然ジュエリーはお日様からのプレゼントですね。
 
プレゼントをくれるのはお日様だけではありません。お月様だって「月露」という名の素敵な贈り物を用意してくれていますよ。月露(げつろ)とは文字通り、月と露を表す言葉ですが、「月の光が映った露」という意味でも使われます。露の雫の中にお月様!なんてロマンチックなのでしょう。夜空に煌々と輝くお月さんを、今度は足元のミクロの世界でも楽しんでみたいものです。
 
さて、月といえば、もうすぐ中秋の名月ですね。昔の人は十五夜お月さんだけでなく、前日の「待宵まつよい」、翌日の「十六夜いざよい」、そのあとも「立待月たちまちつき」、「居待月いまちづき」、「臥待月ふせまちづき」、そしてその翌日も、またその翌日も・・・。二十三夜まで毎夜、夜空に現れる月をありがたく拝んでいました。お月見週間とでもいいましょうか。それにしても、立って待つ月、座って待つ月、寝て待つ月などといったネーミングが面白いですね。十六夜以降、月の出は次第に遅くなるのでこういう名前がついたそうです。月に対する細やかな思いだけでなく、まだかまだかと月を待ち焦がれる様子を月の呼び名にした先人たちのユーモラスなセンスも受け継いでいきたいものです。
 
さあ、「月見る月は この月の月」と言われる絶好のタイミングがやってきました。朝露や月露も合わせて、この時期ならでは自然の造形美を楽しみましょう~。
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