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蒙霧升降
深い霧が立ち込める頃
この時期の早朝、水辺や森に視界を遮るほどの深い霧が立ち込めることがあります。この幻想的な風景は、地表付近の空気が冷やされ、水蒸気が気体から液体に変化、細かな水滴となって漂う現象。霧の中に入ると、しっとりとした湿気に包まれますよね。ミスト噴射の美顔器のように、霧を浴びると肌も潤うかしら。ちなみに霧と雲は、まったく同じ現象、同じものなんですね~。地表付近に浮かんでいるものを「霧」と呼び、空高くに浮かんでいるものを「雲」と呼ぶ。ですから雲の中に入ると辺りは霧だったということになるのでしょうね。



さて、そんな霧に関連した美しい言葉が存在します。ぜひ覚えておきたいのが、まず、「霧の香(きりのか)」。霧に香りがあるの?いえいえ、匂いではなく、霧がもわ~っと立ち上っていく様を、お香の煙に見立てているのです。きっと画家・東山魁夷さんの描く「山雲」のような風景です。巨匠の画をお見せしたいけど、勝手に拝借できないので、ここでは私の稚拙な絵でご勘弁。もうひとつは、「樹雨(きさめ)」。これは、木の葉や枝についた霧が水滴となって落ちること。または、その水滴のこと。山歩きをしていると、雨も降っていないのにポタポタと木々の枝葉から水滴が落ちてくることがあります。これが樹雨。霧がもたらす幻想的な雨です。

自然現象は美の宝庫ですね。

まだまだ残暑厳しい日が続きますが、霧は秋の季語。霧の向こうには~、ほら、かすかに新しい季節が見えます。
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