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蓮始開
ハスの花が開き始める頃
夏の夜も深まる頃、闇の中でひっそり蓮のつぼみがほころび始めます。花が完全に開くのは明け方。そして、昼過ぎには閉じてしまいます。これを三日繰り返し、四日目、花びらは再び閉じる事なく散っていきます。短命ですね。人生100年時代に、たった4日の命とは儚いですが、命の燃やし方を教えてくれているようでもあります。

透き通るような美しさで見る者を幽玄の世界へと誘う蓮の花は、仏教を象徴する花としても知られていますね。多くの仏様は蓮の花をかたどった蓮台(れんだい)に鎮座されていますし、お経の「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう)の“蓮華”(れんげ)は、もちろん蓮の花のことです。

「蓮は泥より出でて泥に染まらず」
釈迦は、“泥(困難や悲しみ)があればこそ、そこから立ち上がったあとには清らかな大輪の花(人生)があるのだ”と説きました。実際のところ、蓮はきれいな水ではなく、むしろ泥水の養分を吸ってこそ、大輪の花を咲かせるそうです。たとえ汚れた環境に身を置いていても、それに染まらず、清く生きる。ぜひとも見習いたい生き様です。

江戸時代の人々は、春は桜の花見、夏は蓮の花見を楽しみました(蓮見)。その際は「蓮見舟」なども出ていた模様。料理茶屋では「蓮飯(はすめし)の提供も。これは、蓮の若葉を細かく刻んで米と一緒に炊いたもので、それを蓮の葉をお皿代わりにして盛り付けたそうな。どんなお味なのかしら。「蓮見」に「蓮見舟」に「蓮飯」。まさに、極楽ツアーですね!現代人の私はもっぱら「蓮酒」で極楽体験派。
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